O'Reilly(オライリー)は、Radar Blogに「 AI時代のソフトウェア:2025年の考察と2026年の展望」という記事を公開した。以下、そのハイライトをご紹介する。
急速に進化するソフトウェア開発の世界において、AIはゲームチェンジャーとして台頭している。2025年を振り返ると、AIがソフトウェアの構想、開発、そして提供の方法を大きく変革したことは明らかだ。かつては目新しいものと考えられていたAIコーディングアシスタントは、今やソフトウェアエンジニアの約90%にとって欠かせないツールとなっている。この変化はコーディングプロセスを加速させただけでなく、新たな探求とスキル開発の道を切り開いた。
AIツールの導入は、統合開発環境(IDE)の将来に関する議論を巻き起こした。しかし、焦点はツール自体ではなく、その目的に向けられるべきだ。開発者は、選択したAIツールによって生成されたコードに対して最終的な責任を負うため、これらのツールの基盤となるモデルと効果的に通信する方法を理解することが不可欠だ。これには、AIがプロジェクトについて知っていることを管理すること(コンテキストエンジニアリング)と、それを伝達すること(プロンプトエンジニアリング)が含まれる。AIの登場にもかかわらず、コードレビュー、デザインパターン、デバッグ、テスト、ドキュメント作成といったコアスキルは依然として重要だ。
2025年後半には、エージェント型AIが台頭し、開発者はペアプログラマーとしてだけでなく、開発チーム全体でAIを活用できるようになった。AIの運用からオーケストAIへのこの変化は、優れたソフトウェアがどのように構築・保守されるかを理解することの重要性を強調している。2026年には、シニアAIは、製品思考、高度なテスト、システム設計、アーキテクチャーといった中級レベルのスキルをエージェント型システムの業務に適用する必要があるだろう。
AIはソフトウェアアーキテクチャーにも大きな影響を与えている。AIを活用したアーキテクチャーでは、イベントドリブンモデルの利用が拡大しており、AIエージェントは固定のプロンプトではなく、受信したトリガーに基づいて動作することが可能になっている。そのため、イベントドリブンアーキテクチャーの概念とトレードオフを理解することが、これまで以上に重要になっている。2026年には、アーキテクトはAIネーティブアーキテクチャーとエージェントAIへのトレンドによってもたらされるシステム設計の新しいパターンを考慮する必要がある。AIによってもたらされた変化にもかかわらず、アーキテクAIは、エージェントやマイクロサービスをいつ追加するか、コストをどのように考慮するか、境界をどのように定義するか、既存の知識をどのように活用するかといった基本を理解する必要がある。
出典:O'Reilly
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