Harness(ハーネス)は、LeadDevと共同で実施した調査レポート「The State of AI-Driven Software Releases 2026(2026年AI主導のソフトウェアリリースの現状)」に基づき、AIによるコード作成の急速な進化に、後続のリリースプロセスが追い付いていない現状と課題を公開した。AIコーディングツールの普及によってソフトウェア開発のライフサイクル(SDLC)におけるコード生成スピードは劇的に向上したものの、それを安全に本番環境へと届ける下流のプロセスがボトルネックになっている。
本レポートにおける主要な3つの調査結果は以下の通りである。
1. コードレビューが新たなボトルネックに
調査対象となった組織の57%が、リスクレベルにかかわらず、AIが生成した全てのコードに対して依然として人手による手動レビューを義務付けている。このうち38%は、AIツールの導入前よりもコードレビューにかける時間が増加したと回答している。さらに、32%の回答者がAI生成コードの導入後にリリースサイズが拡大したと指摘している。AIによってコードの生成量が増えプルリクエストが大規模化している一方で、レビュー側のキャパシティは変わらないため、かつてコード生成段階にあったボトルネックが単に下流へと移行した形となっている。これに対しHarnessは、フィーチャーフラグを活用してデプロイとリリースのタイミングを切り離し、安全に検証を行うアプローチを推奨している。
2. ガードレール(安全対策)の欠如と格差の拡大
AIが生成したコードに対して明確なガードレールを設定している組織は、全体のわずか49%にとどまっている。これは、約半数のチームがAI導入前と全く変わらない検証プロセスのまま、AIが作成したコードをリリースしていることを意味する。また、企業の規模による格差も顕著であり、大企業では44%が脆弱性検出を導入しているのに対し、小規模企業では16%にすぎない。テスト段階では予測が困難なAI機能の挙動変化に対応するため、影響範囲を制御しながら一部のユーザーから段階的に変更を適用する「プログレッシブデリバリー(Progressive Delivery)」の重要性が高まっている。
3. 実験の増加と、置き去りにされる効果測定
回答組織の58%が、AIツールの導入後に実行する実験の数が増えたと回答しており、開発スピードの向上が新たなアイデアの検証に寄与していることが伺える。しかし、その一方で52%がAI生成コードを扱う上での最大の課題として「明確なメトリクス(指標)の欠如」を挙げており、AIツールがチームに与える影響を実際に測定できている組織は29%にすぎない。効果測定のインフラが整わないまま実験を繰り返すことは、組織にノイズと不確実性をもたらす。Harnessは、フィーチャーフラグによるリリースと測定(成功メトリクスの定義や監視)を直接紐付けることで、初めて実験の価値が最大化されると指摘している。
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出典:Harness
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